王国では、就職しないでアルバイトにつくことは、まだ一般に認知されていない。能力があるのにそういう人生 を選択することは一般的ではないのだ。その辺がどこかの国とはちょっと違う。
 だいたいは就職するのに必要な《評価》のトータルに達していないためにアルバイトとなる。いってしまえば正式社員 としては能力不足で雇ってもらえないという事だ。
 いかに戦後の人材難に苦しむ王国とはいえ、その辺は厳しい。
 アルバイトに就ける仕事には、就職と同じものがある。つまり子育て中にお世話になったアルバイト先と一緒だ。

アルバイトに不要な能力

 王国でアルバイトに就かせようと思ったらなら、4つの評価を低くすればいいわけで、評価を構成する技能能力がある 必要はないということだ。つまり最初から何もやらせないこと。まさしく自由人のような生活をさせればいいのだ。
 しかし、実際には1回もアルバイトに行かせないで子育てすることは資金のことを考えただけでもかなり難しいし、 ほとんど不可能だろう。たとえ成功したとしてもあるばいとをろくにしたことがない娘は、さすがに雇ってもらえない。
 雇ってもらえるとすれば父のみ。つまり家の手伝いしかない。少しはアルバイト経験が必要である。
 とはいっても、休み休みで半年から1年、色々なアルバイト先で働けば大丈夫。もっとも経験した仕事先で アルバイトに雇ってくれるだろう。
 アルバイトに就いたあとの人生は、それぞれのアルバイトで必要とされる能力の差で少し変わることになる。
 選んだ道とはいえ身分は不安定なので解雇という事もありえるが、真面目にこなせばめでたく正式採用となるはずだ。

どうしてもアルバイト

 技能能力を下げることは難しい。下げようと思っても他の能力が上がってしまうからだ。ところが評価は簡単に下げる出来る。 家出と逮捕だ。この2つになると評価はみるみる落ちていく。サディスティックな子育てではあるが、"どうしてもアルバイトにしたい" というのなら1度試してみてもいいだろう。